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2月は気持ち悪いくらい暖かかったのに、
この3月はどうしてこんなに寒いのだろう。
天候の理不尽に本気の怒りさえ感じる今日この頃ですが、
仙台市若林区在住の管理人はその後も何とか無事に過ごしております。
うちはかなり内陸の方に位置しており、
幸いにも津波の被害は受けずに済みました。
しかし自宅からわずか3kmほど海側の地域は軒並み浸水、
ニュースですっかり耳馴染になってしまった激甚被害地域は5km圏内にあります。
あれから半月、
自宅は電気が復旧しPCを利用してのネットも問題なくできるようになりました。
けれどまだ手の届くくらい近くに住居すら失くした方々がいる。
それを知りながら何もできない自分がいる。
悔しいけれど、それが現実。
だからせめて、自分にできることを精一杯やろう。
結局人は、それぞれにできることしかできないのだから。

というわけで、
被災当日のレポートを以下に記していきたいと思います。

3/11当日の仕事は休み、
15:15に友人と待ち合わせて食事をする約束になっていました。
午前中のうちに髪を切りに美容室に行き、
これから飲み会だと言ったところ馴染みの美容師さんが
サービスでワックスとアイロンで髪型をおしゃれに整えてくれました。
ごきげんで街に移動するも待ち合わせまでは少々時間がある。
ふむ。
腹の肉を何とか運動不足解消のため
あたたかくなったらランニングをしたいと思ってたのだったか。
折しもアーケードの靴屋はセール中。
スニーカーを格安でゲットしさらにご満悦。
しかし買い物が順調すぎて時間を潰しきれていない。
うむ。
本屋に行って立ち読みでもしよう。
立ち寄ったのはたぶん仙台で一番新しい本屋。
漢検の問題集コーナーを冷やかし、
少年マンガの平積コーナー前に差し掛かった時でした。

軽い揺れの後、轟音を伴った激しい地震が来ました。
前日、前々日に大きめの地震があったこともあり、
「ああ、来たか」という感覚で特に驚きはありませんでした。
まずは書棚が倒れてこないかを確認。
平積前のため棚は背中合わせの接合部分が目の前にある状況。
構造的にこっちに倒れてくることはない。
そう判断し、次に頭上をチェック。
2003年の連続地震の時は、
揺れの直後に頭上の空調のフタが落下してきたからね。
よし、照明や換気ダクトなし。
場所は本屋のほぼど真ん中。
下手に店内を突っ切る方が崩れてくる本に当たって危ない。
そう判断してその場でじっと揺れがおさまるのを待つことに。

第一波は平積の本がやや雪崩れるも数冊が床に落ちた程度。
照明も何度か点滅しましたがおおむね点いていました。
ふと見ると向こうのカフェスペースのテーブルにしがみついて
揺れをやり過ごしている人が数人います。
特に目に見える被害もなく揺れがおさまった、と思ったその時。

間をおかず第二波が来ました。
第一波より強い揺れで下手に移動すると転びそうなほど。
とりあえずその場に座ってやり過ごそう。
床に膝をついて平積台にしがみついたのとほぼ同時に、
耐え切れなくなったように積まれていた本が雪崩落ちてきました。
本といってもコミックスの新刊、軽いし大して痛くもないのだけれども。
台を抱え込んだ腕の中に惜しげもなく飛び込んでくるのはリボーン最新刊。
はわわわわ全国の十代目ファンの方々本当に申し訳ありません!
……とか考えてしまう程度には結構冷静だったんですがw
同時進行で照明が激しく点滅しだし、
ばちんっと音を立てて店内の明かりが全消灯しました。
カフェスペースの避難者はテーブルの下にもぐりこんでいます。
それやってる人初めて生で見た……!
地震の際のお手本のようなその行動を思わず凝視しているうちに
揺れは徐々に小さくなっていき、
完全におさまる前に店員さんの避難誘導が始まりました。
周囲は本の海。
棚の上から2段目までの本はすべて床に落ちて、
通常は棚の下に収まっている滑車つきの収納箱も
ところどころ通路に彷徨い出ている状態でした。
最初は本を足で寄せて通路を作っていたのだけど、
どうしようもないほど積み重なっているゾーンに出くわし
やむなく「ごめんなさい」と唱えながら新刊本を踏み越えて店内を脱出。

仙台は比較的地震に慣れているため、
今までは目に見える形で街が壊れていたことはなかったのだけれども。
外はガラスやタイルが散乱していました。
怪我でもしたのか、突然女性の悲鳴が響き渡ってちょっとびっくりしたり。
ともかくいつもの地震とは街の雰囲気が違っていました。
携帯も地震直後は通じるも30分後には通話・メール共に不可。
殺到する家族からの安否確認と乏しい電波探索であっという間に携帯は充電切れ。
友人との待ち合わせまで30分を切っていたため、
合流できないかと待ち合わせ場所で待ってみるも
停電と店舗閉鎖により人でごった返すアーケードで
人一人を探すのはやはり難しく、一時間ほどで断念。
どの道停電だから今日は店も開かないであろう。
かろうじて最後の電源で今日は解散にしたい旨のメール送信に成功し、
降り出した雪の中自宅へと徒歩で移動。
(地下鉄はもちろん、バスも回送扱いで利用不可)
吹雪の中黙々と歩く人の群……
あんなに多くの歩行者を仙台で見たのは初めてでした。
何気に七夕のアーケードよりも人出多かったんじゃなかろうか。

1時間の徒歩+15分のチャリを乗り継ぎ辿り着いた我が部屋は、
絵に描いたような地震後の風景となっておりました。
食器棚が倒れ、レンジが床に転がり、
半開きになった居室へ至る引き戸からは雪崩った蔵書が見え隠れ。
まさかこんなところで初仕事を依頼することになろうとは。
買ったばかりのスニーカーをタグも外さぬまま履き、
ワレモノの破片を踏み越えて室内へ。
寝床は無事でした。
いつか地震が来るのは分かってたから、
寝場所の近くには落下しそうなものは置いてなかったのが幸いしました。
しかしデスクトップPCは本体が机の上で横倒しになっている上、
キーボードは机からぶら下がっている状態。
電気が戻ったとして通常に動くのか、甚だ疑問な様相を呈していました。
この時点でガスと水道はOKなのを確認。
なにか美味しいにおいがすると思ったら、
冷蔵庫が半開きになっていて、
床にヨーグルトがべちゃって落ちてました。
ふき取るために開こうとしても扉は動かない。
閉めようとしてもやっぱり動かない。
よく見ると扉と床の間に缶チューハイが引っかかってました。
四角い形にプレスされて、どうやら液漏れをしている様子。
私の限定桃ーーーーーーー!!!!!!!Σ(T△T)
一生懸命缶チューハイだったものを外して、
床でシェイクされてしまった桃ヨーグルトを片付けている間に
日没を迎えた周囲は徐々に暗くなってきました。
前日の残りのカレーを温めている途中でガスが止まり、調理続行不可。

とりあえず軍手と懐中電灯、可能なら食糧を買うため外出。
下の階の奥さんから近所のコンビニが開いていると教えられ、
チャリで行ってみるも手元が暗く商品が探せないため断念。
みんなは携帯の画面で明かりを取って探していたよ。
エリック君め、早々に充電切れになりやがって……ブツブツ。
というかその時点でほぼ全部売り切れだったんだよね。
ついでホームセンターに移動し一時間並んで懐中電灯ゲット。
売り場の棚が倒れてごっちゃになってるそうで、
発掘したものだけを売ってくれてる状態でした。
それでも当面必要な物資をすぐに探し出し販売してくれた店員さんGJ。
帰宅する頃には外は真っ暗になっていました。
停電のため明かりはクルマのヘッドライトくらいしかなく。
通行車両がいなくなったら本当に真っ暗でした。
ふと空を見上げると、
ここ数年見たことがないくらいの満天の星が目に飛び込んできました。

仙台で天の川を見たのは初めてだ。

星空に見とれながら近所の小学校に移動し情報収集を試みるも、
周囲が真っ暗なため何がどこにあるのかすら分からず断念。
その日はそのまま自宅へ戻り、
通話可能だった固定電話(ADSLのままでよかったね)で実家と連絡を取ったり。
この日は冷えましたね。
寒いし暗いしやれることもなかったので
さっき購入したスニーカーをベッド脇に置いてすきっ腹のまま就寝。

こんな感じで私は被災者の一人となりました。
この先紆余曲折を経て今に至るわけですが……
そのレポートは気が向いたらということで。
正直、私はかなり恵まれている方だと思うので
こういうレポートを上げるのもおこがましいという気がしないでもなく。

それでもやっぱり。
無事だった命、
ちゃんときちんと生きて大事にしなきゃならないと思うのです。
被災してからいただいた多くの方々の励ましや温かい言葉、気遣いに
心から感謝いたします。

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現在は主についったーに棲息しています。

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